たくさんの応募プランの中から、ついに
「DREAM PLAN」最優秀賞が決定。
皆さまから多数のご応募をいただいた「DREAM PLAN」選考会が、10月13日、日鉄興和不動産の赤坂インターシティAIRにて開催されました。審査していただいたのは、住宅やインテリア業界の第一線で活躍されている、日鉄興和不動産の猪狩本部長、「I'm home.」の角田編集長、「ACTUS」の休山社長、「SO,u」代表のインテリアデザイナー吉田氏の5名(順不同、以下敬称略)。一般の生活者が「ニューノーマルな住まい」についてどのように考え、どのような住まいを希望するのか。“夢の暮らし”のアイデアに、期待と注目が集まりました。
向かって左から
日鉄興和不動産株式会社 住宅事業本部長 猪狩 甲隆 氏
株式会社ACTUS 代表取締役社長C.E.O 休山 昭 氏
「I'm home.」編集長 角田 絵里沙 氏
SO,u株式会社 代表 インテリアデザイナー 吉田 幹 氏
注目の「リビング・ダイニング」部門は、
これからの住まいに
求められるプランに高評価。
角田氏 “居酒屋から発想した”という応募作品も面白いですね。家族の気配を感じながらも1人にもなれるというのは、これからの住まいに必要なんじゃないかなと思います。
猪狩氏 リビング内に在宅ワークの小屋をつくるという発想の『Co-Ya』のような設えがあると、在宅勤務にはよさそう。デザインにももう少しこだわりたくなります。
角田氏 固定で設計するという設定ですが、可動式で動かせるようにしてもいいかもしれません。
吉田氏 自分のまわりには在宅をする場所がないという人が多いので、お父さんだけでなく、お母さんも利用できるような、広い視点で考えても面白そうです。バルコニーやキッチンと合体させるとか。
応募数も多く、住まいの中心になるリビング・ダイニング部門でしたが、リモートワーク、そして可変性という“これからの住まいに求められるプラン”として各審査員から高い評価を獲得した、「小屋型ユニット空間『Co-Ya』」が最優秀賞に決まりました。
※掲載のイラストは応募作品の世界観をイメージイラストに描き起こしたもので、実際の応募作品ではありません。
“バルコニーは住まいの一部”という
発想で、キッチンを暮らしの中心にする
ニューノーマルなアイデア。
猪狩氏 私はよく小さな娘と料理するんですよね。当たり前ですが、大人用に作られたキッチンなので、子どもには使いにくい。ユニットをプラスすることで子どもも料理ができて、大きくなったら収納や物を置けるスペースになるのはいいアイデアだな、と思いました。
休山氏 『作業スペース拡大キッチン』もいいアイデアだと思います。ウチのキッチンなんですが、食洗機をつけたら食器を置く場所がなくなっちゃったんですよ。リフォームしたときに、こんなふうに作業台が増やせるようにしとけばよかったなと。
吉田氏 円形のキッチンを部屋の真ん中に置くアイデアなんかもぜひデザインしてみたいです。
角田氏 気持ちよく料理して、美味しい料理を出すためにはいい環境が絶対に必要。『バルコニーが主役のキッチン』は、コンパクトな住まいだからこそ“バルコニーもちゃんと住空間としてカウントする”という考えが生きてくるアイデアだと思います。
吉田氏 私も、このアイデアを一番実現してみたいと思いました。美味しそうな朝食の風景が浮かんでくるじゃないですか。
議論の結果、“キッチンとバルコニーの融合”というアイデアが評価され、最優秀賞は『バルコニーが主役のキッチン』に。キッチンはもはや女性の場所ではなく、家族全員が快適に過ごすための場所になっています。
※掲載のイラストは応募作品の世界観をイメージイラストに描き起こしたもので、実際の応募作品ではありません。
居住空間をバルコニーまで広げると、
もっと楽しく、心地よい家族の住まいに。
“ぜひ実現してほしい”と審査員全員が高得点をつけた『外出時や洗濯物干しに便利な、雨よけシェードを設置できるバルコニー用多目的レール』が最優秀賞に。ニューノーマルな住まいでは、バルコニー活用もポイントになりそうです。
※掲載のイラストは応募作品の世界観をイメージイラストに描き起こしたもので、実際の応募作品ではありません。
戸建や海外での“当たり前”を、
いかにマンションで実現するかがカギ。
角田氏 ここまで考えているのか、と思ったので『洗濯にかける時間の時短!!! 洗う、干す、取り込む、収納』の評価を高くしました。洗って干して取り込む、までは普通にありそうですが、そこにクロゼットを繋げたところが今までにないアイデアで面白いと思いました。
猪狩氏 私は『身支度完結クロゼット』です。女性の気持ちを考えたときに、確かにここでまとめてできたらいいんだろうな、と思いました。とくに働くお母さんにとっては、とても嬉しいんじゃないですかね。
休山氏 海外では、アウトドアのグッズを玄関に置くのは当たり前なんですよ。日本においてもアウトドアライフが人気なので、『玄関にアウトドアクロゼット』はニーズがあると思います。
角田氏 確かに、最近の戸建では、玄関に上着やカバン、スポーツ用品が置けて、手洗いもできる、なんていうケースも増えていますね。花粉とかがついている上着を玄関で全部脱げるんです。
魅力的なアイデアが拮抗するなか、『玄関にアウトドアクロゼット』が最優秀賞に。衛生面での気遣いが当たり前になるニューノーマルな住まいでは、“外で使ったものを居住スペースへ持ち込まない”が、スタンダードになるかも知れません。
※掲載のイラストは応募作品の世界観をイメージイラストに描き起こしたもので、実際の応募作品ではありません。
“おうち時間”をもっと楽しむための、
新たな視点のプラン。
休山氏 このテーマは、もうすでに世に出ているアイデアが多くて、すごく厳しいレースだと思いました。逆に、そういうものが一般には浸透していないんだな、とも。その中で、唯一個性的な案だと思ったのが、『ニューノーマルなホームオフィス』です。
猪狩氏 私も同様の印象でした。そういう意味で一番親和性を感じたのはこのアイデアで、まさにこれからの住まいに求められるアイデアだと思いました。設えも斬新です。
角田氏 『防音室のセレクトプラン』は、ウォークインクロゼットを防音室にするというアイデアが面白いですね。スタジオをつくったことがあるんですけど、漆喰とかレンガとか、そういうファブリックを使ってつくれば実現できるんじゃないでしょうか。
吉田氏 このアイデアには、私も何か趣味性みたいなもの、多様性みたいなものを感じました。ウォークインクロゼットを収納ではなく部屋として捉えると、可能性が広がりますよね。音楽を聴くところ、ゲームするところとか。リモートワーク室としても利用できるかも知れません。
2つのアイデアに意見が分かれましたが、視点の面白さや多様性、実現性、楽しさなどが高い評価を得て『防音室のセレクトプラン』が最優秀賞に。“おうち時間を楽しむ”ニューノーマルな住まいにぴったりのプランでした。
※掲載のイラストは応募作品の世界観をイメージイラストに描き起こしたもので、実際の応募作品ではありません。
シンプルなプランながら、
工夫次第でその可能性は広がる。
猪狩氏 “70㎡”というスペース考えると、『テレワークもできるロフト風の小部屋』のような、2段ベッドの発想で空間を利用できたらいいなと思いました。ちょっと大人の秘密基地みたいな雰囲気もありますよね。
角田氏 私もこのアイデアが一番高評価となりましたが、天井に頭が当たらないか心配(笑)。『片づけない作業机』は、こんなスペースがほしい、というニーズを感じたので、次に高い評価に。でも、収納にはやはり扉をつけたいと思ってしまいます。
休山氏 日本人は、一般的に日常の道具は隠しがちですが、北欧ではむしろ見せる、が当たり前。厳選して気に入ったものをきれいに並べるオープンシェルフが主流です。“家時間”が増えるこれからは、このような、“収納を楽しむ”スタイルもそろそろ定着しそうな気がします。
吉田氏 このアイデアには意外と汎用性があるんじゃないでしょうか。オープンシェルのような使い方だけではなく、たとえばお父さんと子どもが座って勉強したり、兄妹で勉強するスペースとにするとか。廊下に設置すれば、ちょっとしたコワーキングスペースのように利用できます。
シンプルな設えですが、使い方や工夫次第で多様性を感じさせる「片づけない作業机」がみごと最優秀賞に。“これからの住まいをいかに便利に、快適にしていくか”という応募者の思いが感じられた部門でした。
※掲載のイラストは応募作品の世界観をイメージイラストに描き起こしたもので、実際の応募作品ではありません。
選考会を終えて…
いただいたアイデアからも、新しい時代の住まいに対する関心の高さや思いを改めて実感できました。今回入選されたプランの一部は、アイデアをベースに商品化され、近く分譲される日鉄興和不動産のマンションに採用予定。その模様は随時このサイトでレポートしますので、ご期待下さい。