TOWER商業一体タワー

インタビュー
[レジデンスの設計・デザイン監修]
株式会社アール・アイ・エー
東京本社 設計本部設計二部 次長
松村 卓

こだわったのは、
あたらしい街に誕生する
ランドマークとしての
存在感。

羽沢エリアの歴史と
地形から導いた
デザインコンセプト。

『リビオタワー羽沢横浜国大』のどの部分を手がけられたのでしょうか?
私たちアール・アイ・エーは再開発事業を多く手がける設計事務所で、『リビオタワー羽沢横浜国大』におけるレジデンス全体の設計・デザインを担当させていただいています。 計画を進行するうえで、まずコンセプトを設定するのですが、そこに羽沢エリアの歴史や地形を組み込んでいきたいと考えました。 羽沢にはもともとJRの貨物駅があり、計画地もかつては多くの倉庫が立ち並んでいた物流拠点。 また羽沢という地名にも入る「沢」の地形は、モノが集まり積み重なっていく場所です。
そんなモノや人が集積するこの地の機能を「ハコ」に見立てて、ハコを組み立てたり、積んだり、横にずらしたりするイメージでレジデンスやランドスケープのデザイン・空間を構築してくことを考えました。 このコンセプトは我々がつくるレジデンスだけでなく、今後どんどん拡充していく街並みに統一感が生まれるよう、ゆるやかなルールとして設定したものです。 こういったまちづくりの根幹の部分は、地元の方々や事業主と「まちづくり勉強会」を開催し何度も意見を交わしてきましたが、地域に密着しいろいろな方の想いを伺ってきたプロセスが羽沢のまちづくりに活かされていくと感じています。

「ハコ」と「沢」を
モチーフに
建物や
ランドスケープを計画。

具体的には、どのような設計・デザインを施されたのでしょうか?
レジデンスの外観は、コンセプトである「ハコ」の概念を強く意識して構築しました。 下層の商業施設の部分はハコを横に重ねて人が集まり憩う空間を、上層階についてはハコを縦に並べることで垂直性を強調し伸びやかに空に向かうデザインとしています。 また、遠景のボリューム感を幾度となく検証したり、高層階の頂部に「羽」をイメージした斜めに広がるフィンを設置するなど独自のデザインを施すことで、どこから見てもここが羽沢の街であることがわかるランドマークになっていくと考えています。 一方で、ランドスケープやエントランスホールなどの空間デザインには、地形に関連する「沢」の水の流れを色濃く反映しています。
沢の水は狭いところを流れたり、その先のゆったりとした結節点につながったりと美しい曲線を描いていきます。 同じように街の中心に各街区をつなぐプロムナードを計画し、結節点に広場を設置することで、そこに集まる人や憩う人の姿が沢を通る水の流れやきらめきに見えてくる…。 そんな風景を思い描きながら計画をしています。 商業施設の3階には街が見渡せる緑のテラスを設置する予定をしておりますので、そこからのプロムナードの景色にもぜひご期待ください。

住まい人の
未来を拓いてくれる、
『リビオタワー羽沢横浜国大』
のポテンシャル。

私たちを取り巻く環境が大きく変わる中で、どのような住まいが求められていくとお考えですか?
ニューノーマル時代と言われる近年、多様な暮らし方、働き方が生まれています。 また同じ住まいでも、使う人によって価値観が大きく変わったり、年齢を重ねる過程で求めることも変化します。 「住まいはこうあるべき」という答えが出しにくい時代だと言えるでしょう。 そんな中で『リビオタワー羽沢横浜国大』の魅力は、いろいろな可能性を選択できることにあると思っています。 都心や横浜エリアにアクセスがいいのに、自然環境にも恵まれていること。
共用部のワークスペースで仕事もできますし、緑豊かなプロムナードでパソコンを開いたっていい。 子育て支援施設も商業施設内にある。 駅近であることは実は働く世代だけでなく、シニアのニーズに合致しているかもしれません。 「こうあるべき」ではなく、住まう人の新たな可能性を拓いてくれたり、年齢を重ねて価値観や家族構成が変わっても抱擁してくれる住まい。 そんなポテンシャルが『リビオタワー羽沢横浜国大』に備わっていると強く感じています。

※掲載している情報は、取材時(2021年8月)の情報です。